また新・仁義なき戦いの話。
今日は中平淳史演じる佐藤浩一と岸部一徳 演じる粟野和市の話(この映画は散々仁義なき戦いじゃないと言われてるが、この二人を観てると仁義なき戦いと共通のテーマは扱ってると思う)。
この映画を何度か観てて、佐藤浩一の面白いと思ったシーンの一つが序盤、定例会議のシーン。
織本順吉演ずる溝口武雄若頭が定例会議で、開口一番、跡目を継ぐ気は無いと宣言するシーン。
この時の佐藤浩一の移動が面白い。
まず会議始まる前、岸辺一徳が「今日の議題は、マスコミ対応か、頭の襲名披露のことも聞っきよるやろな」
この時、誰もが若頭が跡目を継ぐもんだと思っている、無論佐藤浩一。
若頭が到着して、会議が始まる。
会場は細長い座敷で、奥にテーブルとソファーがありそこに最高幹部が座り、他の幹部は座敷で正座してるチュー感じ。
頭が来て席に着く幹部達、岸辺一徳の隣の席が一個だけポツンと空いている、佐藤浩一は後ろの座敷の方に座る。

映画の後の流れを観ると、そこは佐藤浩一の席だ。
本当はそこに最初から、佐藤浩一は座るべきなんだろうが、後ろに座ってる。
そして頭の衝撃発表、面白い事になって来た、とでもいってるような表情。
一瞬、佐藤浩一に焦点が当たる、若頭が跡目候補の条件を挙げる、それを聞き入る幹部達、何気なく佐藤浩一がサングラスを拭きながら、自分の席へ移動。
最初このシーンを見た時に、あまりにも何気なさ過ぎて、佐藤浩一がいきなり出現したように見えた。
この中平ってキャラクターがよく表されてるシーンだ。
急に始まった跡目レース。
岸辺の予定では、四代目には頭が就任、若頭は自分が就任、とはいえ頭も高齢で健康状態も悪い、頭が死ぬか引退するのも近い、その時、四代目が最大派閥である自分を五代目に指名、まぁそんな感じだったんじゃないか。
岸辺は、いきなり四代目を継ぐ覚悟も決ってないし、頭にせめて候補の名前だけでも挙げくれと詰め寄ったが、頭にはぐらかされし、出てくると思った自分の名前も出てこない、中盤あたりで実弟で側近の粟野幹二の台詞で『兄ちゃん溝口が最初から自分を跡目候補に指名せいへんかったのおもんなかったんや』チュー感じの台詞がある、多分ズバリその通りなんだろう、それで、苛立って、そして戸惑ってる。
それを見透かして、すぐさま行動に出る佐藤浩一、一直線に跡目レースを疾走する。
岸辺は子供だ、四代目になりたい、だが、指名されなかったのが面白くない、駄々を捏ねる、子分に、自分を担ごうとする幹部達に(女房に靴下を履かせてもらったり、引退状の漢字に振り仮名を書いてもらったりと、そいう描写もある)。
さて、インタビューで坂本順冶監督が語っていたが、やっぱりリメイクなので山守親分は金子信夫はやっぱりいるのか?迷った、まぁそんな感じの事を言ってる。
山守と岸辺の共通点、凄く金にセっコイ、優柔不断、子供っぽい、子分に冷たい、そんな所、か。
だが山守親分の最大の特徴は貪欲さだ、岸辺には決定的に欠けている。
金も地位も欲しい全部欲しい、その為なら何だってする、金はばら撒くだろうし、他の候補がいたら、タマをとるなり、絵図を描くなりして、何だってして排除する。
この映画でその行動をとっているのが、佐藤浩一だ、貪欲さは山守親分そのものだ。
二つに分けたのか、それとも意識しなかったのか、まぁよくわかんないけどね。
佐藤浩一の貪欲さと岸辺一徳の駄々の間に、巻き込まれた人間が死んでいく。
馬鹿馬鹿しい理由で死んでいく、仁義でもなき戦いでもそうだ。
ちょっとでもそうかもって思った人は、押してください、まぁあんたの自由だが。


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