心は一時間分軽くなったのは確かだ。
ナンパロケ当日、ワゴン車二台で茨城県水戸へ。
ワゴン車の中身は、監督、AD三人、カメラマン、ナンパ得意な男優三人。
水戸に到着してコインパーキングに車を停めて、トランシーバーやらなんやら機材の用意を完了したら、ナンパ。
実のところ生まれて初めてナンパする。
周りを見渡すと、そりゃ女だらけだが、今回はウブっぽいお姉さん系を狙えチューことなんでそれに該当するのを探す。
ウブな女がAVに出るのかチュー話もあるが、そんな女を探し出すのが俺の仕事。
とりあえず一人に声を掛ける、当然断られる、が、声は掛けられた、さぁ次だ。
それから12時間、誰も引っかからない、声を掛けては怪しがられ怯えられ、未だに俺だけが女を一人も上げられてない、焦りとなんやらかんやらでおかしくなる一歩手前。
だが、俺より遥かに焦ってる男がいた筈。
監督だ。
この時点で、俺以外のナンパ隊は女を次々と八人ばかり上げていたが、カラミが撮れてない。
午後十時、人影もまばらになって来た頃、無線で集合が伝えられる。
監督が皆を労いながら、後三十分粘ばろう、と最後の激励、ここで女の子に払うギャラも跳ね上がる、フェラ五万のカラミ10万(普通はカラミ四万)。
俺たちは小雨がぱらつく駅へ血走った目で散らばっていく。
三十分後、都合よく見つかるわけも無く撤収。
深夜会社に帰って来る頃には、心身ともにヘトヘト、終電も無い。
久しぶりにこんなに疲れた、疲労感と敗北感、心地よさ0の疲労感、地獄に落ちやがれ俺。
電話が鳴る、女だ、仕事がさっき終わって家に帰れない事と少し話して電話を切った。
携帯電話の液晶に3分47秒、一時間くらい話してたような気がする。
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