バイト、移動中、ラジオから、音楽、不愉快。
今井美樹のプライド、俺はこの曲を聞くと不愉快になる、少しね。
昔この歌を好だったヤツのことを思い出す、そしてカトーさんの事も。
そいつは女で、デブでブスで性格が悪く挙句の果てに、俺のボスだった。
待ったくヒデェ女でね、今日はその話をしようじゃないか、少しばかり恨みがましく長々と話すが、かまやしないだろ?後カトーさんの話も。
俺は18の時、(AVを正々堂々と借りられる様になって、そう未成年で在りながらAVを持ってレジに行く時のあのドキドキ感、何かを得て何かを失った思い出深い年)、俺は新聞屋で住み込みで働きながら、昼間は学校に通っていた。
いわゆる新聞奨学生ってヤツになった、(詳しくはリンク先を参照してくれ)そこの女店長が、例のヤツ、チュー話し。
俺は四年間、毎日三時半に起きて(毎日三時半だぞ)、新聞を配って、怒鳴り散らされて、学校に行って帰ってきて、また新聞を配って、また怒鳴り散らされた。
あぁ四年間だぞ、四年間俺はこき使われた、これでこの店がアットホームな感じなら、辛くてもいい思い出だろうが、なんせ性格が最悪、アットホームな訳がねぇ。
その女店長がカラオケが好きで、忘年会、新年会、歓迎会、何かにつけてカラオケに連れてかれて、聴かされた。
デブでブスで性格が悪い癖に、いつも俺たちを怒鳴り散らしてる声とは思えないような美声で、この歌を歌い上げ、その後決まってこの歌にしきりに共感してた、その姿を見た俺は決まって、トイレに駆け込んで、エクソシストの少女の様にゲロを噴射した。
その時の俺は、もしかしたら今よりも忍耐深く、若さゆえに負けず嫌いだった、四年我慢出来なかったら、女店長に負けたことになると思ってた、俺は耐え抜いた、逆に言えばそれ位嫌いだった、あぁ心底ね。
よし、この女がどれだけ性格が悪いか、一つエピソードを紹介しよう。
俺は四年間、店長が嫌いだったが、真面目に働いた、最初の三年間俺は遅刻したことがなかった、一度もね、最後の一年に少し遅刻したが、それも片手で数えられる程の回数だ、この店には社員がいなかったので、奨学生がバイト以上社員未満って感じの扱いで、俺は二年もすると、朝よく寝坊するようになった店長に代わって、俺が店を仕切るようになってた、俺がいるから店長は寝坊できた、俺は給料以上の忠誠を尽くしてた自信があった、その頃には毎日怒鳴られるって事は無くなってた。
ある日、雪が降った。
俺は夕刊を配ってる最中、雪で滑って、コロンで、膝を打った、その日はなんとも無かったが、次の日の朝、痛くて膝が曲がらなかった、だから配達が出来ないと店長に伝えた。
その話を聞いた店長は??要約すると「この役立たずの糞が」位の事を俺に怒鳴った。
ヒデェ話だろ?スキーかなんかで遊びに行って怪我した訳じゃない、仕事中に運悪く雪で滑って怪我をした、それを心配するどころかブチ切れ、ブチ切れですわ。
俺は煮えたぎったマグマみてぇな腸が、体の穴という穴から噴出すかと思ったが、グッと抑えて一言スミマセン、今考えたら若き日の俺はすげー大人だな、今だったら、目ん玉を抉り出して、ケツとオマンコにダイナマイト突っ込んで、葉巻で火をつけてやるね、イエー。
そんな女だった、そんな性格でブスでデブだから、その時すでに三十は越してて、よく結婚はどうでもいいけど子供は欲しいが口癖だった、俺は望んだところで一生結婚できないんだろうな、可哀そうにザマァミロ糞ったれと思ってた。
だが、ある日店長は俺にこう言った、来週結婚すると。
俺はその時、モーゼが海を割ったのを目の当たりにしたユダヤ人の気持ちが分かった、つまり俺は奇跡を目の当たりにしたって訳、俺はビックリしすぎて叫びだしそうだったが、やっとの事でおめでとうございます、と返した。
そして俺はカトーさんと出会った、カトーさんは店長の結婚相手だった、カトーさんは良い人だった。
カトーさんは大工さんで婿に入ることになって、大工を辞めて、一緒に新聞屋で働き出した、婿修行ってとこ。
カトーさんは、頑張ってた、凄くね、だが毎日俺達と同じように怒鳴り散らされてた、嫁さんに、従業員の目の前で毎日。
二ヵ月後ほどして、カトーさんはやっと自分の過ちに気がついた、そして過ちを正した、つまり消えちまった。
俺は仲が良かったので、消える前の日に少しだけ話しをして、別れの挨拶みたいなモノををしてくれた。
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